トリハロメタンをご存知ですか?水道水を作る工程で生成されることが分かっていますが、その一部はヒトに対して発がん性などの有害性が指摘されています。そのため、水道法で基準値が設けられています。

ここでは、私たちの飲み水に身近な『トリハロメタン』について、その毒性や生成のされ方、抑制方法を解説します。

 

検査2課 相川
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水道水のトリハロメタン

 

トリハロメタンって?

メタンの4つの水素のうち、3つがハロゲンである塩素(Cl)、臭素(Br)などに置換された化合物をトリハロメタンと呼びます。

 

トリハロメタンのひとつ、 トリクロロメタン

トリハロメタンのひとつ、トリクロロメタン

赤字の部分がハロゲンに置換される

 

消毒副生成物

トリハロメタンとよく一緒に使われる言葉です。消毒副生成物は、消毒をすることで生成される物質のことを指します。広義には、①塩素消毒して生成される物質と②オゾン消毒して生成される物質がありますが、一般的には①を指すことが多いです。

消毒副生成物の中には人にとって有害な物質や発がん性が疑われている物質も含まれるため、水道水における消毒副生成物の低減法が研究、導入検討されています。

トリハロメタンと毒性。発がん性など。

トリハロメタンにはいくつかの有害性が疑われています。

発癌性

トリハロメタンの一種、クロロホルムとブロモジクロロメタンは世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)により、「グループ2B:発がん性の恐れがある」とされています。マウスではこれら物質の発がん性を示す証拠が十分あるものの、人に対しての影響は詳しく分かっていないため、『発がん性の恐れがある』という表現になっています。

トリハロメタンの生成原因

浄水場や下水処理場で消毒のため使用される塩素が水中のフミン質(植物などの最終分解生成物)などの有機物と反応して生成される化合物と言われています※。

※石川ら. 衛生化学 28.1 (1982): P10-P15.

 

 

トリハロメタンと総トリハロメタンの違いは?

一見、総トリハロメタンというと、すべてのトリハロメタンを含むように感じますが、総トリハロメタンという呼称は法令上の検査項目の名前に過ぎず、実際にはトリハロメタンのうち4種類のみを指します。

 

 

トリハロメタンの発生を抑える方法

浄水におけるトリハロメタン対策としては、フミン質を活性炭に吸着させて除去する方法や膜ろ過などが技術的には普及しつつあります。これにより、水中のフミン質を除去してから塩素消毒することでトリハロメタンの発生を抑えることができます。

水道水の基準

  • わが国では、水道法による水道水のトリハロメタンの基準値が以下のように決められています。

総トリハロメタン:0.1 mg/L
クロロホルム:0.06 mg/L
ジブロモクロロメタン:0.1 mg/L
ブロモジクロロメタン:0.03 mg/L
ブロモホルム:0.09 mg/L

(2019年2月現在)

水道水以外でトリハロメタンが発生しうる場合

フミン質が含まれ、塩素消毒するステップがある水はトリハロメタンが発生している可能性があります。たとえば、以下です。

・フミン質を含む井戸水を塩素消毒している。
・フミン質を含む温泉を塩素消毒している。

また、ブロモホルムは臭素イオンの影響を受けるため、海水が流れ込むなど、海水の影響を受けやすい水や塩分を含む地下水で、ブロモホルムが生成されることがあります。

水道水は各水道事業者によりトリハロメタンの濃度が検査され、基準値以下であることが確認された上で供給されているので安心ですが、塩素消毒している井戸水などは自主的に検査してトリハロメタンの濃度を確認しておくこともおすすめです。

 


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